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MDFパンチングボード塗装|ブライワックスでビンテージ加工を
「百均のMDFのパンチングボードをもっているのだけど、質感をもっと本物の木材っぽくしたい!」
「MDFボードを手軽にビンテージ風塗装がしたいのだけど、できればラッカー塗装はしたくない…。」
そう思う、百均簡単DIY好き、インダストリアル家具好みのDIYerはいませんか。
こんにちは。最近、ブライワックス塗装にはまり、自作家具のリメイクブーム真っ最中の、とりやっこです。
今回のDIYは、MDFボードをビンテージ風にリメイクしたいと、本来は無垢材用のブライワックスで塗装した件。
手痛い失敗覚悟でだめ元で挑戦したら、想像外の上等な見栄えになったお話を書きたいと思います。
多少問題点はありますが、面白いと思った方は、いちど試してみるのも一興かと。失敗しても、責任はとれませんけれども。
では、その独断と偏見で行った、ビンテージ加工をご紹介させていただきますね♪
MDFパンチングボードを塗装する前に
MDF材を塗装しようと思ったわけ
最近、家具のダーク色塗装にはまっている私。ここだけインダストリアル調でもほかはナチュラルカントリー風でダサい…?の無限ループにはまり、周辺自作家具をすこしずつダーク色化、ビンテージ化しております。
ふと見上げた机上壁面、カレンダーをかけていたセリアのMDF材有孔ボードの、紙っぽい質感が急に安っぽいダンボールに見えてきたんです。以前はナチュラルインテリアにうってつけと気に入っていた色味なのに…。
MDF材はカットしにくく、塗装もしにくく、接合はボンドでないとと勝手に思っていたため、今まで加工はしなかった部材。今回塗装に挑戦しようと思いついたはいいけど、MDF材を塗装をしたことがないので、いろいろMDF材について調べてみました。
MDF材とは
MDF材は特殊コア合板と呼ばれるもののうち、ファイバーボード(繊維板)の一種。木片を繊維状に分解して、板状にして合成樹脂で固めたもの。
MDFは英語の頭文字、Medium Density Fiberboardの略。直訳すると、中間の、密度の、ファイバーボード。中密度繊維板もしくは中質繊維板と呼ばれるもの。
なぜ中密度かというと、JIS規格では0.35/㎤~0.8/㎤。より硬質繊維板であるハードボードと、軟質な繊維板のインシュレーションボードとの中間の意味みたい。
どちらもプロが建築材として構造内部に多く使う素材。MDF材はホームセンターでも買えます。
MDFでも化粧板を表面にほどこしたもの、カラー塗装したタイプも多く出回っています。素地のままのものがダンボール色の素地MDF。
昔Seriaで購入したパンチングボードは、素地MDF材の有孔ボードというのか、表面がごく均質。ヤスリ加工済みの気もしますが…詳しいことは不明。使用済でして、もう当時のラベルはなし。
さて問題はMDFを塗装したらどうなるか知るために、メリット・デメリットを調べてみました。
MDF材メリット・デメリット
メリット
●木目(節や割れ)がなく繊維に方向性がないため、反り、曲がりがおこりにくい。素材が均質で密度があり、表面が平滑。無垢材に比べ、寸法の狂いがすくない。
●彫刻、曲げ加工、カット加工・やすりがけなどがしやすい。
●木ねじどめ・くぎ打ちは表面方向からのみ可能。
●下地を塗れば塗装も綺麗にできる。
●断熱性・遮音性がある。
●ある程度の耐久性がある。
●構造的な強度があまり必要なく、厚みをもうければ、使用用途は多数。(住宅設備機器・家具の扉。側板。背板。カラーボックス材料。スピーカーのキャビネット…。)
●SDGs(素材の再利用)な廃材・端材利用が可能な素材で、比較的安価。
MDF材の一番のメリットは、広い壁面用反りがないボードを、安価に手に入れられること。
メリットに加工がしやすいという点は私的には意外でした。以前、のこぎりが入れづらかったのですが。私は不器用な質ですが、なにかうまい切り方があるんでしょうか?
木ネジも使えないと割り切っていたのですが、工夫しだいのよう。今後、ビス打ちも挑戦してみます。
さて全ての素材は、いいところばかりなはずはなく、デメリットはつきもの。MDFは塗装の際にどんな問題点があるのか調べてみました。
デメリット
●給水しやすい。湿気に弱く、防水対策をしないとカビ!がはえる。
●下地材の塗料(サンディングシーラー)を塗るなど下地を整えないと、塗料を過度に吸い込み、素材が膨れたりムラになりがちで、思った通りの発色にしづらい。
●無垢材に比べて重い。(繊維を圧縮した素材だから?接着剤の分だけ重い…?)
●使われている接着剤に、ホルムアルデヒド放散の可能性。シックハウス症候群の原因にも。
●表面から木ねじは使えるが、いったん取り外すと穴内の繊維がくずれ、再利用がむずかしい。同様の理由で繊維がくずれるため、木口には、木ねじどめ・くぎ打ちは不可。割れる可能性あり。
●(DIY用語集などに決して書かれていないが、実感として見た目)素地MDFはダンボール用質感。高級素材感、風情に欠ける…etc。
塗装の際、下地塗りが必須だね。給水しやすくムラになりがちな点をカバーし、発色をよくしたいなら。
というわけで、下地塗りのやり方について調べてみました。
MDF材塗装手順
MDF材塗装手順(※あくまで塗装の基本イメージです。)
❶下地サンディングシーラー(クリア色)を使う。何度か厚塗りを重ねる。
❷MDF素材表面をサンディングして整える。
❸塗料(スプレー、ラッカー塗装など、保護剤に合わせた水性か油性の塗料)を塗る。ムラにならないよう重ね塗りを。
❹細目で仕上げサンディングする。
❺色どめ用、表面保護剤としてニスを塗る。
百均簡単DIY好きには、めっちゃ作業負荷とコストが高い手順💦
私、本来、色付有孔ボードがほしいなら、高くてもカラーMDFを買えばいいと思う、なんちゃってDIYerです。
そしてなによりラッカー系塗装をする気は最初からない、ナチュラル系木製雑貨好き。有機溶剤の臭いがきらいなのと表面のテカテカ感がえげつないので…。むろんニスを塗る気がないのでもっていません。素材として運よく手に入ったら使いますけれど。
しかも要らない家具は捨てるか、つくりかえるの二択の断捨離中の昨今。というわけでサンディングシーラーなどめったに使わないものをもってはいず、今後在庫する予定なし。それが必要というのであれば、代用品を探すのみです。
もし、色をつけたいなら、サンディングシーラー的なものを塗った上で、安全な水性塗料を使うか(持ってない…)、乾燥に時間がかかるワトコオイル系自然塗料を使うか(クリア以外持ってない…)、ウォルナット色オイルステインの塗布をするか(臭いがひどすぎ部屋で塗れないので、寒い時期はしたくない…)、墨汁塗装かアクリル絵具塗布をするか(色落ち問題はどうすれば…)。
塗装に悩み所はつきないものの、木部保護剤としては臭いの少ないブライワックストルエンフリーを塗ることは決定しています。
シーラーはもっていませんが、ブライワックストルエンフリーのラスティックパインとジャコビアンはもっています。お高いけど、これが一番自分には使い勝手がよく、仕上がりが最高だったから。百均木材への投資として買ったもの。
さて、予想ですが、いきなりMDF材に下地なしでブライワックスを塗るとどうなるか?
水っぽく乾きの遅い水性塗料、ゆるい浸透性油性塗料なら木材への過度な吸い込みをとめるためにシーラーは必要でも、蜜蠟系バター様固形ワックスならどうでしょうか。
ある程度表面に被膜的に塗料がとどまると予想します。塗り込めばワックスが際限なく吸い込むなどないはず。以前、表層が整った板の場合、あまり色が入らなかった経験があるので。その分、傷の部分にはよく色が入るはず。
白っぽいきれい色を塗りたい場合、下地が透けずに発色を良く、ムラなく仕上げたいなら、下地塗り&サンディングは必須だとしても。もし、使用済み表層の傷や荒れを補正する必要はなくて、傷以外の滑らかな表面部分はむしろ活かしたい、ダーク色でビンテージ加工がしたい場合はどうでしょう。色ムラはむしろ、好都合。シーラーもサンディングもする必要がないのでは…?
ということを思いついたので、下地なしのブライワックス塗布を、色塗りと同時に保護塗りでいきますよ。
実際の塗装手順を探りつつ、失敗覚悟で試すのみ。というわけで、お次はMDFパンチングボードにブライワックス簡単塗装の作業工程へまいります。
MDF材パンチングボード、ブライワックス塗装のやり方【簡単手順】
MDF材塗装に用意したもの
・MDFパンチングボード【セリア】約29.7×21㎝
・ブライワックストルエンフリー(ジャコビアン)
・塗装用具(メラミンスポンジ数個、ウェス、ビニール手袋)
※飾りたいカレンダー、ほか吊り金具はあとで紹介。
ブライワックス塗装&磨き方
英国製ブライワックスは主成分を蜜蝋ほか、ブラジルで自生するヤシ、カルナウバ蝋などの自然塗料でできたもの。トルエンフリーはトルエン不使用のもの。ブライワックスオリジナルは400mlですが、こちらは370ml。オリジナルを持っていないですが、ガソリン臭的な強烈な臭いないです。色味はオリジナルより多少ひかえめ(らしい)。
夏場20℃以上の気温で液状化するのですが、まだ寒い時期。バター様です。窓辺で換気しつつ塗っていきますよ。
メラミンスポンジは使い捨てするために、小さいものをいくつか用意。
はじめは布で塗ろうとしたら、吸い込みがハンパないので、断念💦スポンジの方が塗料を板にのせていきやすいです。もともとメラミンスポンジはキッチンの金属面の汚れなども研磨できる素材なので、ゆるく表層のサンディングも兼ねてくれます。
ごっそりワックスをすくいとってMDF材に容赦なく塗りこめる。小さければ、無限にスポンジが塗料を吸い込みはしないので、ボロボロになったら取りかえて、再び塗るの繰り返し。
結構表面にワックスが残っていますが、ここはひとまず気にせず先にすすめます。完全に乾ききる前に円状にぬったり、使用感ある場所や傷口にワックスをすりこんだりと、表面にくまなく塗りこめたかんじ。すでにムラ感満載ですが、二度目塗布で表層を修正します。
小休止を兼ねて十分ぐらい置いたあとに、二度目のスポンジ塗布。今度は塗るというより、ポンポンとスポンジで塗料を置くかんじでのせていきました。そうしたら、あら不思議。錆びた鉄板用の質感になるんですね。塗料の吸い込みがよいようで色濃く染まります。
とはいえこのまま完全に乾かすのものちにまずい気もします。蜜蝋系ワックスは色落ちがつきもの。材に入り込まない余分な塗料を、まだ完全に乾燥する前に、表層をならしていきます。
はじめは布で余分な塗料をふきとろうとしたら、色落ちがしすぎる。天然たわしで磨こうにもやさしくなでても圧が強すぎて、表面がけば立つ。
ではどうやってならすかというと…。手袋をはめた手で、やさしくも雑に、木目風に横方向になでただけ…。
ちょっと手でさわったらいい感じに筋がついたんで、これで行こうかと左右に手袋をはめた指で表面をさささーっとテキトーになぞった様子です。ロウテクすぎて、ソフトに手を動かす以外、コツもなにもなし。
あと、注意と言うか、有孔ボード内にめり込んだ塗料は乾燥前に忘れずに除去した方がよいですね。乾燥してから拭くのは面倒なので。割りばしで一個一個つきさし、布でぬぐいました。
あきらかに表面に浮いた余分な塗料は完全に乾燥前にぬぐいます。特にムラをつけたい場所があれば、乾燥前に強めで布でぬぐうといいかんじにかすれます。
普通の手順で、塗料は厚めに塗り、サンディングを行うのは基本。とはいえ、サンディングをがっつりできるほど厚めに蜜蝋を塗るのもむずかしい印象…。最初は様子見しつつ、布で余分な塗料を除去してゆきますよ。
少し前を置いて、けっこう強めにワックスをぬぐったら。あら、いいかんじのムラが。
ある程度乾燥がすすんだあとなら、ワックスに磨きがかかります。木目調のあとがついてくれることを願いつつ、表層をビンテージ調にととのえていきます。乾燥は10~15分、30分で定着するとのこと。
がんばってひたすらなんども横方向に磨きますよ。布を何度も変えて、色あとがつかなくなるまで、木目調に表層を輝かせます。
素手で触ると表面がすべすべしてきました。それでも白い布にかえるとまだあとはつきます。
いいかんじに色落ちが抑えられたところで、やめました。そもそも使用したら捨てる予定のカレンダーしか吊るす予定がないので。本来、穴の中も神経質に磨く必要はなく、多少磨きが甘くて塗料がついても、問題なかったため。
時間を置いてさらに乾燥後、もういちどふきます。
これはフックをかけて物品を収納して使用する場合、多少色落ちの可能性は残るということ。もともとブライワックスは天然の蜜蝋が原料であるという特性上、完全に硬化はしません。直接太陽🌞の熱を受ける場所にあったら、ワックスが溶けだすということでもありますね。
とはいえ、強く板をこすれば、かすかに薄汚れがつく程度であります。ニスで完全に表層に被膜をつくらずとも、OK。私の場合、風合いが大事です。
壁面MDFパンチングボードにカレンダーをディスプレイする
元々有孔ボードは穴を利用して、ビスで一か所壁にとめてました。パンチングのボードの中央でとめると、そこには間柱がなく、石膏ボード壁に打っている状態。
とはいえ工具など重いものはさけ、カレンダーしか吊るさなかったので、転落したことはありませんが…。
わざわざ石膏ボード用ピンを使うほどでもないけど、不安と言えば不安でした。下手したら、ビス穴部分の壁がくずれてきますから。
間柱位置を調べたら、ボード中央より右にずれた部分でした。一か所間柱でとめたい。
パンチングボードを仮に設置してみた状態です。一か所では安定しないので、ボード後ろ側に端材をつけ、細工することにしました。
汚い裏面ですね💦壁面に付着するのがいやなので、裏は塗装するつもりはありませんでしたが…。
端材は百均ブロック他の適当なサイズを選んで、下に長いものを上に小さいものを三か所両面テープどめします。いずれも1㎝程度の厚みがあれば、フックをかけたいときも有孔ボードとして使用できますよ。
壁とボードに1㎝のスペースを持たせるために、3㎝以上のコーススレッドを選びました。
木工造作用ビス 軸細コーススレッド
先端足割加工 クロメート処理(錆びにくい加工あり)
約3.3×30㎜
半ネジ状態の木工ではおなじみの、がっつり(専用電動工具で強いトルクで…)壁にとめられるやつです。あとはカレンダー掲示用の金具。
洋折れ・洋吊り金具でも、有孔ボード専用フックでも、4㎜木ダボでもカレンダーはひっかけられますので、吊り方はお好みで。私は、廃品・在庫利用でなんでも使います。(わざわざ新品で買う必要はないですよ…。)
コードクリップ(ダイソー)
ナスカン(バッグ用金具の廃品)
M4フランジ付ナット×2個
M4ボルト4㎝
真鍮棒(セリア)
コードクリップは本来4個入りうち2個くらいは使うけれど、いつもあとは余ってしまうもの…。むりやりここで飾りとして使ってます。
ナスカンはコードクリップのレザー幅1.5㎝が通る、廃品を使用。
M4フランジ付ナットはワッシャーとナットが一体型となったもの。ワッシャーは本来ナットの部材へのめり込み防止、ゆるみどめのためにつけるもの。一体型は手間なしに簡単着脱ができて便利です。飾りのためにつけたようなもの。
あとは昔セリアで買った真鍮棒。アクセサリー用品のかんざしとして売られていたもので、先端に一か所穴が開いています。今、アクセサリー作りをしないので、でも真鍮製なので捨てられずにいたもの。ようやくここで日の目をみました。
カレンダーの黒いリングに真鍮棒をひっかけ、ナスカンにはめたコードクリップで真鍮棒をはさみ、留め具は後ろに押し込んだ様子。マスカンのフック金具をM4ボルトにひっかけています。
背面のボルトは、壁との隙間、1㎝程度まで出すことができます。
これを間柱位置にコーススレッドにとめれば、ビンテージ加工済カレンダーディスプレイボードの完成です!
完成したビンテージ木目調カレンダーディスプレイ
部屋が暗いので、いつもライトつけている状態だとこんなイメージ。ちょっとカレンダーが曲がっているのが気になりますが…。
ライトを消して撮影した昼間の状態でこんなかんじ。
ディスプレイの説明を加えさせていただきますね。
DIY雑誌風の解説でやってみたかったんですよ。
百均材、廃品利用で、これだけ加工ができますよってDIY術アピールを…。ブライワックスだけ高価というところは否めないですが、一度買えば、私のような小物ばかりつくるDIYerは一生使えそうなくらい(370ml)ありますので、がっつりMDF材が吸ってもなにも問題ないです。
じつにざっくりテキトーな自己流ビンテージ加工ですが、元々のワックスが優秀ならば、MDFボードでも、素人でもラクに加工できると、あらためて思ったDIYチャレンジでした。
ということで、今回のセリアのMDF材ビンテージ加工編はこれにて終了したいと思います。ではまた。
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